狂った野獣

 池袋、新文芸坐に『狂った野獣』(1976年/東映)・『鉄砲玉の美学』(1973年/ATG・白楊社)の二本立てを見に行ってきました。

《祝 80歳&監督生活50周年 遊撃の美学 映画監督 中島貞夫映画祭》
http://www.shin-bungeiza.com/program.html

 『鉄砲玉の美学』は以前見たので、目当ては『狂った野獣』でしたが、いや〜〜〜〜面白かった!
 銀行強盗に失敗して行員にボコボコにされながら逃げる川谷拓三&片桐竜次があっという間に成り行きでバスジャック。そのバスに居合わせる渡瀬恒彦志賀勝。暴走バスのケツにしがみついたまま降りられなくなる警官室田日出男。もう面白くないわけがない無駄の無さです。
 終盤のカーアクション、パトカーのクラッシュが今度は無駄にくどくて長すぎるのはご愛嬌。とにかく ス カ ッ とします。あー、面白かった。

 『鉄砲玉の美学』はヤクザ映画と思って見るとちょっとかったるいんですが、精一杯いきがっても何もできず何にもなれない小池清渡瀬恒彦)が切な哀しく、ああニューシネマだと気付いた頃にやるせなく見終わる一本なのでした。頭脳警察の歌が突き刺さります。