戦場のメリークリスマス/愛のコリーダ

 池袋新文芸坐に『戦場のメリークリスマス』(1983年)『愛のコリーダ』(1976年/2000年)の大島渚2本立てを観に行ってきました。
http://www.shin-bungeiza.com/program.html#

 戦メリは83年の公開時に観て以来30年振り(!)。デヴィッド・ボウイの弟についての回想部分とかすっかり忘れてました。
 わからんところもあるけど面白かったです。当時は異色キャスティングとか話題性先行の感もあって、なんだあの坂本龍一の演技は‥…とかワイワイ言ってた記憶がありますが、見直して、坂本龍一いいじゃん、て思ったりしました。このキャスティングはやっぱりすごい発想だったな。
 理解できたりできなかったり、こっち向いて欲しくて意地悪したり、寄ってきたらうろたえたり‥‥、ああいう角度から語って、彼等の居る状況の愚かしさ馬鹿馬鹿しさが裏からあぶり出される、みたいな描き方は当時ハッとしたです。ラストのたけしのアップは公開時よりグッときたなあ。ちょっとウルッとなりかけました。

 『愛のコリーダ』は初めて観ました。上映されたのは2000年にリバイバル公開されたバージョン(ノーカット、局部にはボカシあり)。
 ハードコアっつーことで色々と衝撃映像てんこもりでした。いやー、実にどうも大変でがす。
 どんどん爛れていきつつ、ひたすら定を受け入れる吉の藤竜也、よかったです。豪華な美術もよかった。

 ただまあ、今更比べる必要はないのかも知れないけど、つい比べちゃうのは、同じ阿部定事件を題材にしてほぼ同時期に作られた田中登監督の日活ロマンポルノ『実録阿部定』(1975年)なわけで‥‥ 比べなくていいんだけどさ、でもどっちか言え!!って肉切包丁をあそこに突き付けられたら‥‥‥‥ やっぱ『実録阿部定』かなぁ〜〜。
 宮下順子の定は、狂気ってわけじゃなく、妙に自然というか‥自然じゃないけど(笑)、なるようになっちゃった‥‥みたいな感じで、怖いのはチョンギリシーンよりむしろその後の逃亡してからの描写だった気がします(その“事件後”部分が『愛のコリーダ』にはなかった)。すげぇ映画だな‥‥と思ったですよ。

 んー、『愛のコリーダ』のこと書いてて、気がついたら田中登作品のこと考えてしまっていた。
   
   

戦場のメリークリスマス [DVD]

戦場のメリークリスマス [DVD]

愛のコリーダ ~IN THE REALM OF THE SENSES~ (Blu-ray) (PS3再生・日本語音声可) (北米版)

愛のコリーダ ~IN THE REALM OF THE SENSES~ (Blu-ray) (PS3再生・日本語音声可) (北米版)

[rakuten:surprise-2:10007638:detail]