ブルーノートで何度かリーダー・セッションを録音したにもかかわらず存命中に出たリーダー・アルバムはこの1枚きりという、一時は幻のテナーマンと言われた悲運のテナー奏者ティナ・ブルックスのアルバム『True Blue』。
作曲の才能は彼の大きな魅力のひとつです。ブルーノートではデューク・ピアソンとティナ・ブルックスが二大・泣きの哀愁メロディー・メイカーではないか、とワタクシなどは思うのであります。
タイトル・トラックは最初聞いた時なかなかリズムのアタマが取れずに苦労しました。今でも、しばらく聞いてなくて忘れてると見失う。もちろんブルックスのオリジナル曲。カッコイイっす。タイトルもジャケもカッコイイ。
オリジナル・ライナーノーツに載った「ものすごいテクニシャンになれなくてもいいから、自分自身を表現したいな。でもそのためには、やっぱりテクニック面でも成長しなくちゃね」(対訳:林田ひめじ)という彼のコメントに、なんかこう、しみじみしますな。
True Blue / Tina Brooks
Tina Brooks(ts) Freddie Hubbard(tp) Duke Jordan(p)
Sam Jones(b) Art Taylor(ds)