心は孤独な狩人

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 映画『愛すれど心さびしく』に原作小説があったことを知り、ちょうど新訳版が去年出たばかりだったので、本屋で注文して買ってみました。

 カーソン・マッカラーズ著 / 村上春樹『心は孤独な狩人』(原題: The Heart Is A Lonely Hunter)。1940年の小説。

 本文二段組で、かなり読み応えありそうです。

 デイヴ・グルーシンのサントラ聴きながら読みたい。

 読みたいけれども、なかなかシリアスな話だけに、今はまだちょっと『喫茶アネモネ』の緩さに浸っていたい気もするなあ。

 

 

 健康診断で人間ドックに行ってきました。

 初めてバリウムを飲みました。どんなもんかと思っていたら、バリウム自体は全然なんともなかったですが、撮影で右向いてー左向いてーうつぶせから回ってーもう一回回って―と身体をぐるぐる回らさせられるのがしんどかったです。台が動くだけじゃなくて自分であんなに動かなきゃならないとは知らなんだ。発泡剤2回飲んだし。ぐったり。

 検査結果は3週間後です。

 

心は孤独な狩人

心は孤独な狩人

 

※ ↓ 映像の最後の10秒にネタバレがあるので未見の方はご注意を。


www.youtube.com

喫茶アネモネ

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 先週水曜のTBSラジオ「たまむすび」でブルボン小林さんが紹介していた柘植文さんの『喫茶アネモネ』が面白そうだなーと思って、買ってみました。

 東京新聞での連載をまとめた単行本。2017年から連載してたそうで、知らなかったけど、めちゃくちゃ面白かったです。

 ここ最近疲れていた心に、緩く優しい笑いで潤いを与えてくれました。なんかとっても助かった。1ページ目から声出して笑いました。喫茶アネモネがあってよかった~~~。今の俺に必要だった。あ~、ホッとする。

 まだ半分ほどですが、ゆっくりのんびり読みたい。

 いいな~、喫茶アネモネ

 

 

 タワレコ限定のコンピシリーズでスタッフのが出たので買いました。

 2枚組で、1枚目がスタッフのオリジナルアルバムから、2枚目がワーナー音源の中でメンバーが参加した他アーティストの録音からの選曲という構成。

 スタッフのメンバーが参加したセッションは星の数ほどもあるので、カーラ・ブレイ『ディナー・ミュージック』とか伊藤君子『ヒア・アイ・アム』とかの曲を自分で追加したプレイリストを作るのが楽しい。延々と足せて終わらないけど。

 多分50代以上ならわかるNHK-FM「軽音楽をあなたに」のテーマ曲「いとしの貴女」で、夕方が終わってゆくあの感覚に包まれます。次に来る6時の時報を待ってしまう。

 

www.chunichi.co.jp

 

喫茶アネモネ 1

喫茶アネモネ 1

 

tower.jp


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Stuff / My Sweetness (いとしの貴女)

 

プリンス・オブ・シティ / 愛すれど心さびしく

 おおっ、復刻シネマライブラリーからワーナー作品が2,200円で再発されてて、5年前にオンデマンドのDVDダウンロードという規格で出た『プリンス・オブ・シティ』(1981年 / 監督: シドニー・ルメット)がついにプレス盤として再登場してる!

 オンデマンド盤は以前買いましたが(これ)、これは買い直すしかないと思われ!

 

 デイヴ・グルーシンの美しいテーマ音楽だけ知ってて、二、三年前にCSでやっと見ることができたアラン・アーキンとソンドラ・ロックの『愛すれど心さびしく』(1968年 / 監督: ロバート・エリス・ミラー)(これ)もラインナップに。これも買うしかない!

 

 ありがとう、復刻シネマライブラリー。

 


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Dave Grusin / The Heart Is A Lonely Hunter (愛すれど心さびしく)

 

プリンス・オブ・シティ [DVD]

プリンス・オブ・シティ [DVD]

  • 発売日: 2016/03/21
  • メディア: DVD
 
愛すれど心さびしく [DVD]

愛すれど心さびしく [DVD]

  • 発売日: 2012/01/30
  • メディア: DVD
 

 

江戸川乱歩と横溝正史と渡辺温

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 『江戸川乱歩と横溝正史』を読んでいたら、1926(大正15)年に横溝正史が雑誌「新青年」の編集長になったくだりで「横溝は、新たに渡辺温を入社させた。」という文章が出てきて、

ん? 渡辺温(わたなべ・おん)‥てなんか知ってるな‥‥ あ、あれか!

と気がつきました。

 十年ほど前に私は創元推理文庫から出た『渡辺温全集 - アンドロギュノスの裔(ちすじ)』を読んでいたではないか。

 

 私はそれまで渡辺温のことは全く知らなかったんですが、この本を装丁したFragment柳川貴代さんのツイッターで知って、面白そうだな~と思って買ったのでした。

 その解説等で、横溝に乞われて博文館に入社して横溝の右腕として「新青年」の編集をしながら小説を執筆云々、というのは読んでいたはずですが、すっかり忘れてました。そうだ、そうだった。谷崎潤一郎宅に原稿依頼に行き、その帰りに乗っていたタクシーが貨物列車に衝突して27歳で夭折、というのは憶えてましたが。

 大正~昭和初期というとなんか大昔で古い “今とは別の世界“ っぽい印象を持ってしまいがちだったんですが、読んでみるとこれがそんな思い込みを覆す非常にモダンな世界なのです。生き生きとした躍動感もあり、しかし闇もあり、どこか不思議な、カバー裏の文にあるように正に「影絵の如き物語世界」で、惹き込まれて読みました。大正の人すげえ! 

 不運な事故さえなければ、乱歩・横溝に並ぶ大作家になっていたのではないでしょうか。 

 

 という過去に読んだ印象的な作家(忘れてたけど)の登場で、なんかこう急に点と点がつながった感じで『江戸川乱歩横溝正史』の面白さに個人的に一気に弾みがつきました。

 でもこの後、渡辺温の突然の事故死が待っているのかと思うとちょっと胸が苦しいな。

 

 私は正直、江戸川乱歩も実際に読んだことがあるのは子供の頃に読んだ子供向けの怪人二十面相と少年探偵団ものだけで、他は映画・ドラマ等で知ってるだけなので、知っている方には何を今更な話ですが、『屋根裏の散歩者』『人間椅子』『D坂の殺人事件』などの今の目で見ても衝撃的な有名作がキャリア初期の大正時代に書かれていたということに改めてびっくりしました。本当に今更ですが、大正の人々すごい。

 ちゃんと読まなきゃなー。

 

アンドロギュノスの裔 (渡辺温全集) (創元推理文庫)

アンドロギュノスの裔 (渡辺温全集) (創元推理文庫)

  • 作者:渡辺 温
  • 発売日: 2011/08/31
  • メディア: 文庫
 
江戸川乱歩と横溝正史 (集英社文庫)

江戸川乱歩と横溝正史 (集英社文庫)

  • 作者:中川 右介
  • 発売日: 2020/12/18
  • メディア: 文庫
 

 

村上ポンタ秀一さん死去

 

 1994年、六本木ピットインにサンポーニャケーナ奏者の瀬木貴将さんのライヴを聴きに行きまして、そこで生ポンタさんのドラムを聴きました。オーラがあったなあ。ペドロ・アズナールがゲスト参加してまして、「ペドロちゃんが~」とか言って笑いを取っていました。

 一番よく聴いていたのは80年代中頃の渡辺香津美MOBO倶楽部MOBO III(モボサン)の頃のような気がしますが、思えばぐっとさかのぼって1976年、中1で初めて買ったLPのグレープ・ライブ「三年坂」のドラムスがポンタさんであった。同じ頃NHKテレビで観た小椋佳コンサート(ライブアルバム『遠ざかる風景』)もそうだったし、当時聴いてたフォーク、ニューミュージック系ではなんか大抵叩いてたような気がする。

 誰もがそれぞれ自分の好きなポンタさんのドラムの曲があるでしょう。

 

 昔テレビの深夜番組内で、視聴者からの悩み相談にポンタさんがドラムを叩きながら答えるという「ポンタに訊け」ってコーナーがあって、わりとすぐ終わっちゃったけど、楽しみだったなあ。

 

 どうぞ安らかに。

 


渡辺香津美(MOBOIII) - UNICORN (STEREO)

渡辺香津美(g), Gregg Lee(b), 村上ポンタ秀一(ds)


首輪のない犬

村上ポンタ修一(ds), 小原礼(b), 大村憲司(el-g), 鈴木康博(ac-g,vo), 小田和正(kb,vo)

『この道をゆけば / オフ・コース・ラウンド2』(1974)